踊るシヴァの足元は誰?アパスマーラと、持ち上げた足の意味を読む

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炎の輪の中で踊るシヴァ。手に持つ太鼓や火へ目が行くけれど、足元にも人物が表されています。

そこにいるのは誰? 踏んでいる足と、持ち上げた足は同じ意味なの?

メトロポリタン美術館が所蔵する一体では、足の下の小さな人物はアパスマーラ・プルシャとされ、人の誤った思い込みや迷いを表すと説明されています。一方、上げた足は、悩む魂のよりどころを意味する。足元の二つを分けると、踊りの読み方が進みます。

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右足の下の人物と、上げた左足を分けて追う

ナタラージャは、踊りの王としてのシヴァを指す呼び名です。メトロポリタン美術館の作品解説で取り上げるのは、南インド・タミル地方の十一世紀末頃の像。作品番号は1987.80.1です。

解説にある左右は、像自身の左右として読みます。

右足で踏んでいるのが、迷いを象徴するアパスマーラ・プルシャ。持ち上げた左足は、悩む魂のよりどころを示し、前方の左手がその足を指し示しています。

あっ、手の動きも、持ち物を示すためだけではないんですね。足へ目を導く働きがある。

「一つの足は何を抑え、もう一つの足は何を示す?」と解説を追うと、単に片足で立つ難しい姿勢、で終わらずに読めます。これは像に込められた信仰上の象徴の説明です。

踊るシヴァでも、足元が牛の作品がある

ここで、踊っているから必ず同じ足元、と覚えないでね。

ロサンゼルス郡立美術館の十七世紀ネパールの作品では、シヴァは牛ナンディの上で踊ると解説されています。作品番号はM.77.22。こちらは左脚で立ち、右脚を上げる姿です。

同館は、南インドでよく知られる、アパスマーラを足下に置く姿との違いを説明しています。

一つの像で知った答えを、次の作品の足元へそのまま当てはめないこと。人物なのか牛なのか、どちらの脚が上がっているのか。同じ「踊るシヴァ」という題名でも、作品の解説へ戻る理由がここにあります。

神々の背景を読む本は、作品解説と使い分けよう

シヴァ以外の神々や、インド神話の広い背景へ進みたい場合は、マーティン・J・ドハティ著・井上廣美訳『ヴィジュアル版 インド神話物語百科』も候補です。出版社提供の書誌では、図版を交えて神々や宗教、経典・物語を紹介する本と確認できます。

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本を識別するISBNは「9784562059157」。本で神々の背景を広げながら、個々の作品の足や手の意味は、所蔵館の説明へ戻って確かめよう。

次に踊るシヴァの解説を開いたら、炎の輪から、その下へも。踏む足、上がる足、指し示す手。三つをつないで追うと、足元が話の中心へ戻ってきます。

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この記事を書いた人

インド神話に登場する神々と物語を、文化的な背景にも目を向けながら読んでいます。

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