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神像の額に、もう一つの目。でも、その目は半分だけ?
スミソニアンのアジア美術館が公開する「Head of Harihara」、ハリハラの頭部像では、額の第三の目が半分あることを、シヴァとヴィシュヌを半身ずつ合わせた神を表す手掛かりと説明しています。
額の小さな形から、二柱の神の話へつながるんだね。ここでは、カンボジアの10世紀半ばの作品、番号S1987.900の解説を読んでいきます。
額の目を、一人分の顔だけで読まない
館の説明は、まずシヴァには額の中央に第三の目があると示します。そのうえで、この頭部にはその目が半分だけ表されているため、半分シヴァ、半分ヴィシュヌのハリハラと分かる、としています。
つまり、解説が注目するのは目の数だけでなく、額の目がどこまで表されているか。顔の一部が、二つの神を合わせる表現の手掛かりになるわけです。
これは、この作品について館が示す読み方です。ほかの像で欠けたように見える部分を、全部同じ意味に決めてしまわないでね。作品名と番号をそろえて、同じ像の説明へ戻るのが確かです。
頭の飾りにも、カンボジアの寺院へつながる説明がある
頭部の解説には、三段の頭飾りと花の装飾も出てきます。冠のピラミッドのような形は、カンボジアの寺院の塔に似るとされています。
さらにその塔の形は、宇宙の中心と信じられるメール山にならう、という説明です。メール山は、神話上の山の名前。
額から頭飾りへ。見る場所を少し上へ移すだけで、神の組み合わせから、寺院と神話の山へ話が広がるんだね。
今回の根拠は所蔵館の文章解説です。写真を見るときも、額の目と頭飾りを一度に探さず、説明と一箇所ずつ照らしてみよう。
出典:Smithsonian・Head of Harihara、S1987.900
二柱の背景から知りたい人へ
シヴァとヴィシュヌがまだ混ざるなら、長谷川明さんの『インド神話入門』も候補です。新潮社の紹介では、神々の物語を大衆宗教画や神像で解説する本とされています。
この頭部像の個別解説は館のページで読み、二柱の神の背景を広く知りたいときに本を開く。そんな読み方の候補です。確認先の販売品は中古本なので、状態も合わせて見ておこう。
書誌:新潮社・インド神話入門
顔を見て神の名前を当てるだけで終わらず、額の目がどう作られているかへ。小さな部分にも、作品を読む次の入口があるね。